私は現在、50代半ばの現役管理者として、輸入食品の検品・加工ライン(約20名のチーム)を運営しています。 このサイトでは主に「データ分析(R言語)」や「生成AI」のスキルを発信していますが、それらはあくまでツール(手段)です。
私の本当の専門領域は、「デジタルなデータ」と「アナログな人の心」を掛け合わせ、現場の課題を解決して利益を生み出すことにあります。
ここでは、私がこれまでに現場で実践し、成果を出してきた5つの実例をご紹介します。
1. 【収益化】不採算ラインを「高収益ライン」へ変革
「ドンブリ勘定からの脱却」 担当した当初、多品種小ロットの複雑なラインは、慢性的な赤字状態にありました。経験と勘による見積もりが原因でした。
私は管理者としてではなく「一人の経営者」としての視点を持ち、以下の改革を行いました。
- 徹底的な数値化: Google AppSheetを導入し、作業ごとのコストを細部まで可視化。
- 情報のフルオープン: 「この作業は会社に利益をもたらしているか」という収支状況をパートスタッフ全員に公開。
- データ交渉: 客観的データを武器に、顧客へ適正価格への見直しを交渉。
【結果】 数年かけて損益分岐点を超え、大幅な黒字転換を達成しました。現場には「稼ぐ意識」が芽生え、品質と利益が両立する強いチームに生まれ変わりました。
2. 【DX・業務改善】「8割のヒアリング」でつくるシステム
「使われないシステムを作っても意味がない」 本社業務において、月末の在庫報告に伴う長時間残業が常態化していました。解決策としてGoogle AppSheetによる自社アプリ開発を行いましたが、私が最も注力したのはプログラミングではありません。
- 開発時間の8割を「対話」に: 担当者の隣に座り、Excelには書かれない「頭の中のルール」や「不安」を徹底的にヒアリングしました。
- 寄り添うDX: 技術で業務を押し付けるのではなく、現場の痛みに寄り添うことで「これなら使いたい」と思えるシステムを設計しました。
【結果】 複雑な在庫管理を自動化し、月末の必須残業をゼロにしました。「以前は辛そうだった担当者が、今は楽に仕事を回している」という光景こそが、私にとって最高の成果です。
3. 【採用力】泥臭い行動で「人がいない」を解決する
「ターゲットの生活に寄り添う」 新規の大口ライン立ち上げ時、用地はあるのに「人がいない」という危機的状況でした。私は業者任せにせず、自ら動くことを選びました。
- 戦略的ターゲット設定: 子育て世代の主婦層に絞り、隙間時間を活かしたシフトや、「お互い様」で休める文化を設計。
- 2,000枚のポスティング: 手書きのチラシを作成し、自分の足で近隣エリアへ配布しました。
【結果】 目標人数を確保し、無事にラインを稼働させました。さらに、この時に作った「お互いに助け合う」風土が定着し、早出などのイレギュラー対応時にも全員が協力してくれる信頼関係が築けました。
4. 【可視化】「目で見る管理」で自走する現場へ
「情報の鮮度が信頼を作る」 かつては口頭指示による「言った言わない」のトラブルが絶えませんでした。そこで私は、指示のスタイルを根本から変えました。
- 現物主義: 言葉だけでなく、写真やサンプル現物を掲示。
- 情報の鮮度管理: 掲示物には必ず日付を入れ、終わった情報は即撤去。「あそこを見れば、常に最新の正解がある」という状態を作りました。
【結果】 指示待ちだった現場から、「この手順の方が効率が良いのでは?」という改善提案が自然と出る自律的な組織へと進化しました。私が不在でも、現場は正しく判断し、動き続けています。
5. 【組織風土】心理的安全性を高める「ペップトーク」
「機嫌よく働くことが、最強の生産性向上策」 技術や手順だけでなく、働く人の「心の状態」こそがパフォーマンスを決めると私は確信しています。
- 8年続くペップトーク: 毎月、「心理的安全性」「オキシトシン(思いやり)」「アンコンシャス・バイアス(偏見)」といったテーマで、手書きのポスターを作成し、朝礼で伝え続けています。
- 学び続ける姿勢: 私自身が朝晩の学習を欠かさず、最新の組織論を現場の言葉に翻訳して伝えています。
【結果】 70代のベテランから若手までが在籍していますが、派閥や分断は一切ありません。 私が不在のトラブル時でも、スタッフ同士が**「鈴木さんならどう考えるか?」「誰も傷つかない方法はどれか?」**を話し合い、納得解を導き出せる組織になりました。

Mentor HSの想い
データ分析やAI活用も、最終的には「人の幸せ」や「働きやすさ」に繋がらなければ意味がありません。
「冷静なデータ分析」と「温かい人間関係」。 この両輪を回すことで、組織は驚くほど強く、しなやかになります。
このサイトでは、そんな私の実践知(ナレッジ)を、技術とマインドの両面から発信していきます。