現場の実践録:データと「心」で組織を動かす

私は現在、現役のマネージャーとして、日々現場のスタッフと向き合いながらチームの運営や業務改善に取り組んでいます。このサイトでは主に「データ活用」や「生成AI・デジタルツール」の使い方を紹介していますが、それらはあくまで、働く人を楽にするための「道具」に過ぎません。

私が本当に大切にしているのは、「客観的なデータ」と「現場で働く人の気持ち」を掛け合わせて、職場の悩みを解決し、みんなが笑顔で成果を出せる環境をつくることです。

ここでは、私がこれまでに現場で試行錯誤しながら実践し、チームが前向きに変わっていった5つのエピソードをご紹介します。


1. 【収益改善】「どんぶり勘定」をやめ、みんなで喜び合える黒字チームへ

「一生懸命働いているのに、なぜか利益が出ない…」 私がかつて担当した部門は、商品の種類が多く手間がかかる仕事ばかりで、ずっと赤字が続いていました。原因は、過去の「経験と勘」だけに頼った、いわゆる「どんぶり勘定」だったのです。

「現場のみんなの頑張りを、ちゃんと形(利益)にしたい」。
そう考えた私は、次の3つに取り組みました。

  • 作業の見える化: 手作りの業務アプリ(Google AppSheet)を取り入れ、どの作業にどれくらい時間とコストがかかっているのかを、一つひとつ数字で見えるようにしました。
  • 数字を隠さずオープンに: 「今やっているこの仕事が、会社の役に立っているのか」を、現場のスタッフ全員に包み隠さず共有しました。
  • データをもとに正直な交渉: 集めた客観的なデータをお客様にお見せし、「これからも良い品質を守るために」と、納得感のある適正価格への見直しをお願いしました。

時間はかかりましたが、チームはついに長年の赤字を抜け出し、利益を生み出せる部門へと生まれ変わりました。何より嬉しかったのは、現場に「自分たちの手で稼いでいるんだ」という誇りと余裕が生まれ、仕事の丁寧さ(品質)まで自然と上がっていったことです。


2. 【DX・業務改善】プログラミングより大切な「8割の雑談と対話」

「せっかく便利なシステムを入れたのに、現場誰も使ってくれない」
そんな話をよく耳にします。以前、月末の在庫チェックのたびに夜遅くまで残業して疲れ果てている担当者を助けたくて、業務アプリを自作したときのことです。私が一番時間をかけたのは、パソコンに向かうことではありませんでした。

  • 8割の時間を「おしゃべり」に: まずは担当者の隣に座り、マニュアルや表には書かれていない「頭の中のちょっとしたルール」や「実はここがやりづらい」という不安を、じっくり聴くことから始めました。
  • 使う人に寄り添う設計: デジタルの正しさを押し付けるのではなく、現場の大変さに寄り添い、「これなら明日からも使いたい!」と自然に思ってもらえる優しい画面づくりを心がけました。

その結果、複雑だった集計作業はボタン一つで終わるようになり、月末の残業はゼロになりました。「以前はあんなに辛そうだった担当者が、今は笑顔で定時に帰っていく」。その姿を見ることが、私にとって一番の喜びです。


3. 【チーム作り】「人が集まらない」なら、自分の足と工夫で会いに行く

「働く人の暮らしに、どれだけ想像力を働かせられるか」 新しいプロジェクトを立ち上げたとき、場所は用意できたのに「働く人がまったく集まらない」というピンチに直面しました。求人広告を出してただ待つのではなく、私は自分の足で動くことを選びました。

  • 暮らしに寄り添う働き方: 近隣にお住まいの子育て世代の方々が無理なく働けるよう、隙間時間を活かした柔軟なシフトをつくり、「急なお休みはお互い様」と気兼ねなく助け合えるルールを整えました。
  • 手書きチラシを2,000枚ポスティング: 職場の温かい雰囲気が伝わるよう最初の頃は、手書きでチラシを作り、自分の足で一軒一軒、近隣のポストへ配り歩きました。

結果として必要なメンバーが無事に集まり、プロジェクトは順調にスタートしました。さらに、募集のときに約束した「お互い様で助け合う」という文化が根付き、急な忙しさのときにも「私、手伝いますよ!」と自然と声が上がる、温かいチームが育ちました。


4. 【見える化】「言った・言わない」をなくし、自ら動く職場へ

「情報がいつも新しいこと。それが安心と信頼につながる」

昔の現場では、口頭での指示が多く、「言った・言わない」のすれ違いや、指示があるまで動けない雰囲気が課題でした。そこで私は、伝え方のルールをガラリと変えました。

  • 言葉より「実物と写真」: 言葉だけで説明せず、完成品の見本や写真を誰でも見える場所に置きました。
  • 古い紙はすぐに剥がす: 掲示物には必ず日付を書き、終わった連絡事項はその日のうちに外しました。「あのボードを見れば、いつでも最新の正しいやり方がわかる」という安心感をつくったのです。

すると、確認のためのムダな待ち時間が減っただけでなく、スタッフの方から「こっちのやり方の方が、もっとスムーズじゃないですか?」と工夫やアイデアが自然と飛び出すチームに変わりました。今では私が席を外していても、現場のみんなで正しく判断し、頼もしく仕事を回してくれています。


5. 【職場の空気】「機嫌よく働く」を支える、毎月の手書きメッセージ

「働く人の『心の状態』こそが、良い仕事の土台になる」

どんなに優れた技術やルールがあっても、働く人の心がギスギスしていては良い仕事はできません。私は「みんなが機嫌よく、安心して働けること」が何より大切だと考えています。

  • 8年続けている朝礼と手書きカード: 毎月、「安心して話せる職場」「思いやりの言葉」「決めつけをなくそう」といったテーマで手書きのメッセージカード(ポスター)を作り、毎月の第一営業日の朝の短い時間(15分程度)で自分の言葉として伝え続けています。
  • リーダー自身が学び続ける: 私自身も毎日の読書や学びを欠かさず、心理学や組織づくりの新しい知識を、誰にでもわかる「日常の優しい言葉」に噛み砕いて共有しています。

現在の職場には、70代の大ベテランから若い世代まで幅広いメンバーがいますが、垣根や派閥は一切ありません。何かトラブルが起きても、私がいないところで「どうすれば誰も傷つかず、みんなが納得できるか?」を自然に話し合い、助け合える自慢のチームになっています。


メンターHSの想い

データ分析も、AIやアプリの開発も、すべては「働く人を笑顔にし、毎日を少しでも楽にするため」にあります。

「確かなデータ(根拠)」と「温かい人の心(対話)」。 この両輪が噛み合ったとき、職場は驚くほど明るく、強くなります。

50代半ばからデジタルやAIを学び直した私だからこそ、「パソコンやITはちょっと苦手で…」「現場になかなか定着しなくて…」と悩む方の気持ちが痛いほどわかります。

このサイトでは、私が現場で汗をかきながら身につけた「使える技術」と「チームづくりのヒント」を発信しています。「自分の職場でも試してみたい」「まずは何から始めればいいか相談したい」と思われた方は、ぜひお気軽にお声がけください。

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