はじめに:カンに頼る予測からの脱却と、データが示す確かな未来
こんにちは、メンターHSです。
日々の業務で結果を出すためには、試行錯誤を繰り返して圧倒的な手数を出し続けることが重要です。
そして、その行動量を支える基盤となるのは、しっかりとした7時間半睡眠によるクリアな頭脳と、「なぜこれをやるのか」という自分自身の内発的動機づけです。
自分がやりたいからやるという情熱を持って行動し続けると、そこには必ず「データ」という揺るぎない事実が蓄積されます。
今回は、その過去のデータから客観的な法則を見つけ出し、将来を予測するための強力な武器「重回帰分析(じゅうかいきぶんせき)」について、わかりやすく解説します。
複雑な現実を紐解く「重回帰分析」とは?
私たちのビジネスにおいて、結果は単一の理由だけで決まることはありません。例えば「売上」という結果には、「広告費」「営業の人数」「季節」など、数多くの要因が複雑に絡み合っていますよね。
重回帰分析とは、「2つ以上の複数の要因(独立変数)」を同時に使って、「予測したい結果(従属変数)」を導き出すための方程式を作る手法です。
1つの要因だけを見る「単回帰分析」とは異なり、複数の要素を同時に考慮します。そのため、より現実の複雑な状況に即した、精度の高い予測が可能になります。
スプレッドシートのLINEST関数で手軽に実践
この高度な分析ですが、実はGoogleスプレッドシートやExcelの関数を使って、誰でも手軽に実行できます。それが「LINEST(ラインエスト)関数」です。
指定したデータ範囲を選択してこの関数を入力するだけで、各要因が結果にどれくらい影響を与えているかを示す「係数」などを一瞬で弾き出してくれます。高価な分析ツールがなくても、今日からすぐに始められます。
ただし、一つだけ気をつけるべきポイントがあります。LINEST関数はすばやく計算できるのが最大の利点ですが、出力結果は「説明書きのない数字の羅列(配列)」として表示されます。そのため、パッと見ただけでは少し読み取るのが難しいのです。
このツールをビジネスの武器にするためには、「どの位置に出力された数値が、どんな意味を持っているのか」という、統計値の配置図をあらかじめしっかりと把握しておく必要があります。
分析結果を正しく読み解くための3つの重要指標
LINEST関数は非常に優秀ですが、出力された数値を鵜呑みにせず、正しく解釈することが求められます。以下の3つのキーワードを必ず押さえておきましょう。
- P-値(ピーち)この分析結果が「偶然の産物ではないか?」を判定するための超重要指標です。一般的にこの値が0.05(5%)未満であれば、「統計的に意味がある(有意である)」と判断すべきです。
注意点として、LINEST関数にはこのP-値が直接出力されません。そのため、出力された「係数」「標準誤差」「自由度」を使って、追加で「T検定」の計算を行う必要があります。 - 決定係数($R^2$:アールスクエア)作成した予測モデルが、実際のデータを「どれくらい正確に説明できているか」を表す指標です。0から1の間の値をとり、1に近いほど「予測の当てはまりが良い(精度の高いモデルである)」ことを意味します。
- 自由度「自由に動かせるデータの数」のことです。データ全体の件数から、分析に使った要因の数などを差し引いて計算されます。データが多ければ多いほど自由度は大きくなり、分析結果の信頼性が高まります。先ほどのP-値を計算する際にも不可欠な数値です。
おわりに:データと「人間の多様性」が新たな問いを生み出す
重回帰分析は、過去の事実から法則を見つけ出し、未来への羅針盤を手に入れるための技術です。
ツールやAIを使えば、論理的な分析や効率的な情報処理は一瞬で終わります。
しかし、AIやデータ分析の働きは、すべてを標準化し、ひとつの「最適解」や「正解」に収束させることに向かいがちです。ここをそのまま鵜呑みにしてはいけません。AIの成果物は、常に疑う意識が必要です。その意識が、成果物の多少の違い(文字なども)受け入れることに繋がります。
人間には、感情や直感、他者への深い共感、そしてゼロから何かを生み出す想像力があります。これらは、今のところ決してAIには模倣できない領域です。
私たちは、一人ひとり経験も知識量も価値観も違います。だからこそ、導き出されたデータをただの「正解」として終わらせるのではなく、仲間である異なる価値観を持つ他者と議論を交わすべきです。人間同士のぶつかり合いから生まれる「多様性」こそが、AIだけでは決して導き出せない「新たな問い」を生み出します。
圧倒的な手数をかけてデータを集め、分析の目的を見失わず、バイアスに注意を払う。そして最後は、あなた自身の人間味と多様な視点を持ってデータを解釈してください。
ぜひ皆さんも、身近なデータとスプレッドシートを使って、未来を予測し、新しい問いを立てる第一歩を踏み出してみてください!
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
