はじめに:組織に潜むムダと役割分担の見直し
「仕事を効率化するには、きっちり役割分担をして指揮系統を明確にすべきだ」。そう考えていませんか?実は、過度な役割分担や固定化された連絡ルートは、かえって非効率を生み出す原因になるのです。本記事では、無自覚に発生している業務のムダをなくし、チーム全体の生産性を高めるための「コミュニケーションと役割のあり方」について解説します。
役割分担のしすぎが「見えない重複作業」を生む
プロジェクトを進める際、役割を細かく分けすぎるのは危険です。なぜなら、「同じデータを別の人が二重に入力している」といったムダに気づけなくなるからです。
同じチーム内であっても分業化が進むと、全体像が見えにくくなります。さらに他のチームとも役割を明確に分けてしまうと、組織全体で重複した作業が横行していることには誰も気づけません。「現状、今のやり方で困っていない」と思っていても、組織の至る所にムダが潜んでいるのです。
組織の壁を越えるコミュニケーションの原則
では、どうすればこのようなムダを防ぎ、効率よく仕事を進められるのでしょうか。答えは、自由でフラットな情報のやり取りを組織の当たり前にすることです。
- ホウレンソウの経路を固定しない:役職、社歴、部署に関係なく、必要な相手と直接対話すべきです。
- 階層的な指揮系統を強制しない:上司を通さないと話が進まないような、ヒエラルキー前提の文化は絶対に避けるべきです。
- リーダー同士が手本を見せる:部署間の連携不足を防ぐため、リーダー自らが率先して部門間のコミュニケーションを日常的に行います。
- 情報をすべてのレベルで自由に流す:発信者は情報を出し惜しみせず、受け手は自ら必要な情報を選択するルールを徹底します。
誰しもが多くの情報に知的好奇心を持ち、自発的な熱量で動ける環境を作ることで、組織全体の風通しは劇的に改善します。
全体を牽引する「まとめ役」の必須条件
自由な情報伝達を機能させるには、全体を束ねる「まとめ役(リーダー)」の存在が不可欠です。
このポジションには、チームで最もコミュニケーション能力が高く、かつ実務にも精通している人物を選任すべきです。彼らは特定の作業に縛られず、フリーな立場でチーム全体を見渡します。各所の状況を把握し、組織のつなぎ役となることで、重複作業を素早く発見し、チームの力を最大化できるのです。
おわりに:今すぐ自分の足元から見直そう
「私たちのチームにムダはないか?」という視点を常に持つことが大切です。まずは今日、すぐに行動を起こしましょう。役割分担されたチーム間で、同じ作業をしてしまっていないかチェックするのです。
そして、さらに手軽な第一歩として、自分自身の業務を見直してみてください。自分が抱える複数の役割のなかで、無意識に重複した作業をしていないでしょうか。こうした足元からの小さな点検作業が、万全のコンディションで仕事に向かうための余裕を生み出し、組織全体の劇的な効率化へとつながっていくのです。